成年後見人になるための手続き

成年後見人になるための手続きは、一見複雑に思えるかもしれませんが、適切なステップを踏むことでスムーズに進めることができます。成年後見制度は、精神疾患が原因で判断能力が低下した人の財産管理を行うための制度です。ここでは、成年後見人になるための手続きの流れと必要な書類について解説します。

成年後見制度の目的と仕組み

成年後見制度は、精神疾患や認知症などにより正常な判断が難しくなった人の財産管理を行うために設けられています。この制度は家庭裁判所、本人、成年後見人の3者が基本になって構成されており、任意後見と法定後見の2つの種類があります。

後見開始までの大まかな流れ

成年後見人になるための手続きは以下のような流れになります。

  1. 医師の診断書の取得:かかりつけの医師や精神科医から診断書を取得します。
  2. 申し立ての書類の準備:申立書類一式、戸籍謄本、住民票、後見登記をしていないことを証明する証明書、医師の診断書、裁判所が要請するその他の書類を準備します。
  3. 家庭裁判所への申し立て:準備した書類をもって家庭裁判所に申し立てを行います。
  4. 家庭裁判所での面接:本人、申し立て人、後見人候補者などが家庭裁判所の担当者と面接を行います。
  5. 家庭裁判所での審理:申し立てに関する書類一式と面接内容をもとに審理が行われます。
  6. 後見に関しての審判:審理が終わると、正式な後見内容と後見人が決定されます。
  7. 後見に関する登記:後見が正式に決まると、法務局に対して後見登記の依頼が行われます。
  8. 後見開始:正式な後見内容と後見人が決まったことで、後見人によるさまざまな後見活動が開始されます。

成年後見人の手続きにかかる費用と時間

成年後見人の手続きには、申立手数料、郵便切手の費用、医師の診断書の作成費用、後見登記手数料、本人の戸籍謄本、住民票、成年後見等の登記がされていないことを証明する証明書の発行費用などがかかります。手続きには早くて1~1か月半、遅くなると3~6か月かかることもあります。

成年後見制度を利用する際の注意点

成年後見制度を利用する際には、希望した候補者が後見人になるとは限らないこと、後見監督人が付く場合もあることに注意が必要です。家庭裁判所が最終的に後見人を決定し、必要に応じて後見監督人を付けることがあります。

まとめ

成年後見人になるための手続きは、多くの書類の準備と家庭裁判所での審理が必要ですが、適切な準備と理解をもって進めれば、スムーズに進むことができます。成年後見制度は、精神疾患を持つ人の財産管理を適切に行うための重要な制度です。手続きに不明な点がある場合は、専門職に相談することをおすすめします。